細谷功さんが書いた「問題発見力を鍛える」という本を読みました。
著者の細谷功さんは、ビジネスコンサルタントです。過去には、地頭力やアナロジー思考についての著書もあります。
今回読んだのは問題発見力についての本です。
こんな人にすすめたい
コロナウイルス感染症の流行やAIの発達の影響で変化していく世の中で、ビジネスや仕事をしていくうえで、不安に思っている人、なにかヒントがほしいと思っている人には参考になる本だと思います。
本の概要
“VUCA”の時代
テクノロジーの急速な進歩やコロナウイルス感染症の脅威などにより、世界の状況予測は困難になっています。そんな世界の状況の特徴を表す英語の頭文字を組み合わせた略語(アクロニム)を “VUCA” と言います。
Volatility(変動性),
Uncertainty(不確実性),
Complexity(複雑性),
Ambiguity(曖昧性)
変化が激しく、先が見通せない環境下で、複雑で定義が不明確な問題に対峙していかなければならない時代といったところでしょうか。
“VUCA”の時代に求められる問題発見力
状況が不確実、不透明、不安定に変化してきて、必要な能力も「問題解決力」から「問題発見力」へ変化すると筆者は言っています。
今までは、与えられた問題に対する答えを、すでにある考え方の枠内から導き出す「問題解決」が重視されていました。
それが、考え方の枠を定義しなおして、問題を自分でみつける「問題発見」が重要になってくるということです。
問題発見力を磨いて”VUCA”の時代を生き抜く
AIは、与えられた問題を解く「問題解決」は得意ですが、ルールを作り直して問題そのものを考える「問題発見」は不得意なので、そこは人間が能力を発揮する領域なのです。
問題発見のためには、「知らないことがある」ということを知っている(「無知の知」)、つまり未知の問題が存在していること、それを見つける方向に意識がむいていることが必要です。
常識はどんな条件で成立するのか、その条件の変化を探し出すことが問題発見の端緒。
常識や多数派を疑い、変えることに価値を見い出せ。
問題解決のためのHow(どのように)ではなく、問題発見のためにWhy(なぜ?)の意識を持とう。
経験に頼るのではなく、思考力を駆使することが重要になる。
その他、この本の後半には、問題発見の着眼点やヒントや、簡単に真似されないビジネスを生む発想法が書かれています。
まとめ
- “VUCA”の時代には「問題解決力」より「問題発見力」が求められる。
- 問題発見には、今までの考え方の枠や常識を疑い、定義しなおすことが必要。
- 経験値による問題解決ではなく、思考力を駆使した問題発見が重要になる。
150ページほどの本なのでさらっと読めます。人によっては「ちょっと抽象的だな」というところがあるかもしれませんが、色んな考え方のヒントがちりばめられています。
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